Created: Wednesday, 14 November 2018 00:01 | Rate this article
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| Category: Books

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アナザー・マルクス, Tokyo: Horinouchi Publishing, 2018 (506 pages).

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ここ十年以上にわたって、あちこちのメディアにて、先見の妙がある思想家として再び脚光を浴びている歴史上の偉人がいる。カール・マルクスである。彼の思想の妥当性は、現在においても常々確認されるところとなっている。進歩主義的な論者たちの多くが、資本主義のオルタナティブを構築する上で、マルクスの思想は今なお不可欠だと考えている。世界中あらゆるところで、その思想をめぐって大学の講義や国際会議が再び催されるようになっている。マルクスの著作の復刻版や新版が、書店にまた並ぶようになった。このように、二〇年の長い休止期間を経て、マルクス研究は再び盛り上がりをみせつつあるのである。まさに「マルクス・リバイバル」と言えよう。
 マルクスの総合性は人類知の非常に幅広い領域にわたっており、どんなに卓越した研究者でも、その頂上を推し量るのは容易ではない。こうした限界を認識しつつも、著者は研究成果を、さらなる研究の出発点として世に問いたいと考えている。
 マルクスから学ばなければならないことは、未だ多く残されている。マルクスを学ぶにあたり、既によく知られた古典だけでなく、未完の草稿に含まれる問題点や疑問点を検討することができるのは、今を生きる我々の特権である。

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ENDORSEMENTS:

マルクスをめぐる議論が再び沸き起こってきている。様々な書物が出ている中、マルチェロ・ムスト氏の新著は、その丹念さにおいて際立っている。ムスト氏の本を通して、我々の生きる世界の過去・現在・そして未来を考えるにあたって、マルクスの著作がいかに重要か、読者は思い知らされるだろう。Another Marxは、万人必携の、傑出した本である。

イマニュエル・ウォーラーステイン(イェール大学高級研究員)

Another Marxにおいて、マルチェロ・ムスト氏はマルクスの脳内実験室の最奥へと我々を誘う。そこで我々は、マルクスの著作が、その不安定なプライベートや激動の政治活動と分かち難く結びついているのを目にする。本書は、マルクスの人生の各時期をバランスよく取り扱い、草稿研究に関する深い理解に立脚して、マルクスの理論的方法、その現実世界との関連性、知的ブレイクスルーや政治的闘争における理論の役割を明らかにしている。マルクスを扱うにふさわしい入念な学術性を保ちつつ、生き生きとした筆致で書かれたこの本を、初学者から専門家まで、全ての人々に薦めたい。

ボブ・ジェソップ(ランカスター大学社会学特別教授)

マルチェロ・ムスト氏のAnother Marxは、マルクスの知的遺産について、これまでの標準的な説明をとらない。マルクスの著作は、完成された、分かりきったものとして、しばしば教条主義的な解説にはめ込まれがちである。ところが本書では打って変わって、マルクスの経済学批判が辿った険しい道のりや、それが未完に終わった結末が、新鮮な眼差しで読み直されていく。進行中の新MEGAプロジェクトでは、新たなマルクスの抜粋ノートが公開されている。それに基づきムスト氏は、現在進行形のオープンな批判的弁証法を、魅力たっぷりに紹介していく。それは過去の遺物などでは全くなく、数多のオルタナティブを示し、多面的な解釈を刺激してくれる。現在の「マルクス・リバイバル」をめぐる,唯物史観の最新の学問的成果をまだ知らないなら、本書から繙いてみるべきだろう。

ジョン・ベラミー・フォスター(オレゴン大学社会学教授